植物肉「ミラクルミート」のDAIZと日清製粉グループ本社が資本業務提携、 2024年夏の稼働を目指す新工場の建設や研究開発等で協業
発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するスタートアップであるDAIZ株式会社(本社:熊本県熊本市、代表取締役社長:井出 剛、以下「DAIZ」)は、株式会社日清製粉グループ本社(本社:東京都千代田区、代表取締役 取締役社長:瀧原 賢二、以下「日清製粉グループ」)と資本業務提携を行いますことをお知らせします。本提携により、DAIZが2024年夏の稼働を目指して計画している新工場建設に日清製粉グループの日清エンジニアリング株式会社が誇る食品工場建設の技術・ノウハウを活かすと同時に、日清製粉グループの技術や知見を活かした「ミラクルミート」の付加価値向上や研究開発等を協働で推進して参ります。両社協業のもと、「ミラクルミート」の生産キャパシティの増強と販路拡大を図ることで、持続可能な食を支えるインフラとなり、人類が抱える環境・食資源の課題の解決を目指します。
本資本業務提携の概要
日清製粉グループは、「健康で豊かな生活づくりに貢献する」ことを企業理念としています。持株会社である日清製粉グループ本社のもと、製粉、加工食品、健康食品、酵母・バイオ、中食・惣菜、エンジニアリング、メッシュクロスの7つの各事業が総合力を発揮することで多くの事業・領域でトップシェアを実現するとともに、グローバル展開に向けた取り組みも積極的に推進しています。
一方、熊本発のフードテックベンチャーであるDAIZは、独自の発芽手法「落合式ハイプレッシャー法」をコア技術とし、環境負荷の小さい次世代植物肉「ミラクルミート」を生み出しました。DAIZは、2019年に植物肉事業を本格化し、国内大手企業とパートナーシップを組み、食品技術を結集させた研究開発やプラントベース食品の商品開発を重ねることで「ミラクルミート」の付加価値向上と販路拡大を図って参りました。
環境配慮や食の多様化から、ますますプラントベース市場の成長が期待される中、DAIZはその需要拡大に応えるべく、「ミラクルミート」の生産キャパシティ拡大を計画しています。2024年夏の稼働を目指し、現在の発芽・植物肉工場(熊本県上益城郡益城町)の生産キャパシティ年間4,000トンの5倍の規模となる年間20,000トンの新工場(建設予定地は熊本県内・現工場の近隣を予定)の建設計画が進行しています。
この度、日清製粉グループが誇る高度な食品工場建設の技術・ノウハウを活用し、最適化された生産プロセス・生産性向上を実現した「ミラクルミート」の量産体制の構築と、「ミラクルミート」の付加価値向上や研究開発等を両社で推進することにより、持続可能な食のインフラとして拡大を図り、人類が抱える環境・食資源の課題の解決をともに目指すべく、資本業務提携に至りました。
株式会社日清製粉グループ本社 執行役員企画本部長 永木裕様よりコメント
フードテック等の新技術・新素材が食産業に変革の波を起こしつつある中、独自の発芽技術をベースに事業を展開されるDAIZ社とこのたび提携できたことを大変嬉しく思います。両社の知見を活用し、新たな製品開発やDAIZ社の発芽技術等を活かした研究等が進むことを期待しております。当社グループは「健康で豊かな生活づくりに貢献する」ことを企業理念とし、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでおりますが、DAIZ社の植物肉の事業は、環境負荷低減や将来のたんぱく質危機の解決に貢献するものとして、当社の企業理念にも通じるものです。両社のパートナーシップによる事業の発展と「食」の新たな価値創造の進展を楽しみにしております。
DAIZ代表取締役社長 井出剛よりコメント
製粉トップの日清製粉グループ社と資本業務提携が出来ましたことを大変嬉しく思っております。従来の植物肉工場では脱脂大豆(搾油後の粕)が使用されているのに対し、DAIZの「ミラクルミート」は発芽させた大豆やえんどう豆を、まるごと原料として使用しています。それゆえに工場建設においても高度な食品工場に関するノウハウが必要とされますが、食品工場建設の分野で豊富な実績と技術を有する日清エンジニアリング社と連携して新工場の建設ができますことを大変心強く思っております。 また日清製粉グループの技術や知見を活かした「ミラクルミート」の付加価値向上や研究開発等により、プラントベースフードの販路拡大も期待しております。
DAIZ新工場建設の概要
熊本県上益城郡益城町に構えるDAIZの発芽・植物肉工場は、現在、年間4,000トンの「ミラクルミート」を製造できるキャパシティを有しています。一方で、大型受注や共同開発を行う各社との成果による引き合い多数により、現施設の生産能力の上限に達する見込みです。これらの需要に応え、国内の市場拡大及び海外への輸出に向けて、十分な生産能力を確保するべく、新工場建設の計画を推進しています。
2024年夏の稼働を目指す新工場は、40,000m2の敷地に建設を予定しており、最大で年間20,000トンのキャパシティとなります。持続可能な食のインフラとなるべく、エネルギー消費量や廃棄物の低減を図り、自動化も含めた最適なライン配置等により、効率的な生産体制を確立した環境配慮型の工場を目指します。また、研究開発機能と生産機能を一体化させた「マザー工場」とすることで、生産拡大に加えてさらなる技術の高度化の進展とスピードアップを図ってまいります。
サステナブルな世界の実現に寄与する植物肉
植物肉(プラントベースミート)は、牛・豚・鶏に次ぐ新たなお肉のカテゴリー・次世代の食品として注目が高まっています。地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出を抑える効果が高く、同時に2030年に予想されているタンパク質危機の解決の一助となる代替タンパクともなる植物性食品(プラントベースフード)です。欧米やアジアでの市場成長も著しく、日本でも徐々に認知が広がっている植物肉は、世界で9兆円を超える市場と見込まれています*1。DAIZは植物肉「ミラクルミート」の普及を通じて、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成とサステナブルな社会の実現に貢献して参ります。
*1 UBS「MARKETS INSIDER NEWS(Jul 19,2019)」より。
DAIZの発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」について
DAIZは長年研究してきた独自技術により、従来の植物肉で課題とされていた、①味と食感に残る違和感、②大豆特有の青臭さや油臭さ、③肉に見劣りする機能性(栄養価)を解決し、美味しい植物肉の開発に成功しました。
<DAIZの植物肉「ミラクルミート」の特徴>
特徴1.原料に丸大豆を使用
これまでの植物肉は、大豆搾油後の残渣物である脱脂加工大豆を主原料としていましたが、DAIZの植物肉「ミラクルミート」は原料に丸大豆を使用しています。さらに、オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みを無くし、異風味を低減しています。
特徴2.旨味や栄養価を増大、肉様食感を再現する独自技術
味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」*4で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大させます。その発芽大豆をエクストルーダー(押出成形機)*5にかけ、膨化成形技術*6により、肉のような弾力と食感を再現しています。これらの独自技術により、異風味を低減した植物肉「ミラクルミート」を製造しています。
特徴3.独自製法による価格競争力
旨味や栄養価が増大した発芽大豆を使用しているため、他の原料や添加物を足さずして、シンプルな製造プロセスによる生産が実現できています。独自の製造プロセスにより、原価低減を実現し、牛肉・豚肉・鶏肉に対し、価格競争力があります。
▲DAIZの植物肉「ミラクルミート」の製造工程
*2 大豆の発芽中に酸素・二酸化炭素・温度・水分などの生育条件を制御し、酵素を活性化させることで遊離アミノ酸量が増加し、素材の旨味を引き出す栽培法。(特許第5722518号)
*3 材料に水を加えながら、高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌等を行う装置。
会社概要
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DAIZ株式会社 広報
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TEL:096-363-8800